温熱について常に考えています
2024年 07月 22日
私は家で「換気扇つけた?消した?」と家族に嫌がられるくらい日に何度も言います。
なぜって、換気の仕方で室内環境が変わるからです。
通常の一戸建て住宅であれば、24時間換気用の換気扇は2、3個付いています。
この小さな換気扇で家の汚れた空気を大体2時間で入れ替えています。
同時にそれだけ熱損失があるということ。
お風呂に入ったり、料理する際に大きな換気扇を使えばもっと大きな熱損失になります。
各部屋には給気口が必ずついていますが、気密性の高い家では、
この給気口から入ってくる冷たい風が不快に感じることもあります。
なので、理想は熱交換をして室温を変えずに換気をすることです。
我が家は予算の関係で、残念ながら普通の換気扇がついているだけです。
(なので口うるさくなるのですね)
全館空調を採用していれば、ここまで神経を使わなくてもよかった。。。
全館空調がベストといわけではありませんが、熱交換のできる換気システムを
採用するのがベストです。
今は色々なメーカーからさまざま換気システムが出されています。
どのシステムにするのかが悩ましいところ。
どの温熱地域に建てるのか、どんな形の家なのか、工務店が工事し慣れている
のはどれか(金額にも影響)によって選びわけます。
他にも、床下エアコンがいいのか、1階天井裏に熱交換器を入れてダクト
を部屋にもっていくのがいいのかなどなど、
我々設計士はヒアリングしながら空調・換気方法を決めていきます。
そして、もっと大事なことは、自然のエネルギーを上手に使うこと。
東京に建てるのであれば、北欧のようなトリプルサッシは不要と私は考えます。
そこまで外気温は下がりませんし、せっかくの日射を取り込みづらくなるからです。
サッシは性能がよいもの、メーカーで何段階かあれば上位のものを選ぶことをおすすめします。
窓からの熱の出入りは凄まじいものがありますから。
庇を設ける、すだれを利用するなど日射をコントロールすることもおすすめです。
どこの窓をどのタイミングで開けるかも大事。。
建築家 堀部安嗣さんは「よい船乗りのようにコントロールしながら住むことが大事」
とおっしゃていました。
機械の力を借りながらも、住まい方も大切になってきます。
こんなことを日々考え続けております。
# by A_R_C_O | 2024-07-22 16:15 | 建築 | Trackback | Comments(0)